Mさん(女性)がご自身の英語体験談を教えてくれました!
恵まれた環境から生まれた思い上がり精神
幼少期から英語に触れる機会が多かった私。
父が海外に単身赴任をしていたこともあり、年に2回は父に会いに行くのを兼ねて海外旅行をしていました。
更に父が帰国した際も、電話で流暢に英語を話すのを聞いていたり、一緒に洋画を見たり、洋楽を聞いたり…と、自然と英語が日常にある生活を小さい時から送っていました。
当時は英語教育、特に子供の時からの英語教育の必要性について、今ほどは重要視されていなかったと思いますし、現に私の周りには「英語が苦手、嫌い」という友達ばかりでした。
そんな中、私は特別に勉強する時間を取らなくても勘だけでテストの8〜9割の点数が取れていました。
なので、昔からなんとなく「自分は英語ができる」という根拠のない自信、自惚れのような意識があったのです。
それから年月が経って、私が助産師として病院で働いていた時です。
私が勤務する病棟が閉鎖することになったのです。
もちろん明日から仕事がない!というわけではありませんでしたが、早急に退職か他病棟に異動かを決めないといけない状況でした。
当時はまだ助産師としては2年目で、まだまだこれから経験を積まないといけない、1人前とは言えない状態。
周りの同期や先輩方が異動や転職を決めていく中で、私はなかなか進路を決められずにいました。
私の決意を阻んでいたもの、それは「ワーキングホリデーに参加したい。もっと英語を「話せる」ようになりたい。」という目標。
小さい時から、ネイティブと同等の英語を話す父への憧れから、海外に行って生活したいという夢がありました。
高校生ぐらいの時にワーキングホリデーという制度があることを知りました。
この制度を知ってから、進学して就職して転職して…としている間にあっという間に10年以上もの時間が経ってしまいました。
ワーホリには年齢制限があり、参加できるのは最高でも30歳まで。
しかも年齢制限のために既に参加できない国の方が多く、選択肢ももう少ない状況でした。
- でも助産師としてのキャリアは?
- 仕事で英語を使うわけでもないし、ある程度はできるんだからもういいんじゃない?
- たった2年の経験に1年もブランクがあって、帰国後就職できるだろうか?
- ワーホリには歳を取りすぎているんじゃないか?
葛藤する毎日
しかし、
- この10年で看護師、保健師、助産師の免許をとった。
- その間にワーホリに行ける時間もお金もなかった。
- 行けるのに行かなかったわけでもない。
- 今は行ける状況で、お金もあるし、必要なのは「行く」と決意することだけ。
- ずっと行きたいと思ってたなら、今行かなければきっと後悔する。
- これが最後のチャンスだ!
と、30歳になってからカナダへいわゆるギリホリに参加したのです。
伸びきった鼻をボキボキ折られながらも試行錯誤の繰り返し
英語に多少の自信はあっても、会話をする、働くとなると話は別。
やはり不安だったので、しばらくは語学学校に通うことにしました。
入学時のレベル判定テストでは中級の下レベル。
パソコン上のマーキング形式だったので、まあそんなもんだろうと思いました。
でも本音をいうと、スピーキングもなかったし、もう少し取りたかったな、と少し悔しかったんです。
それでもまあなんとかやっていけるだろうと鷹を括っていました。
そして、いざ授業に参加してみると
日本で受けてきた学校の授業とは全く違い、グループワークや、特にプレゼン型の授業がメイン。
先生が言っていることやテキストの内容が解っても、英語を使って表現する、人に伝えるにはどうすればいいのか、全くわからないのです。
(人前に出ることが大嫌いだったというのもありますが。)
今まで、自分はできる方だと鷹を括り、ボーッと授業に参加し、言われるがままにテストを受けて、のらりくらりと過ごしてきた自分がどれだけ自惚れていたかを思い知りました。
一つレベルを下げた方がいいと考えましたが、変なプライドが邪魔をして、なかなか先生にも相談できず。
そんな間も時間はどんどん過ぎていき、毎日の授業もじっと目立たないように過ごすだけ。
「こんなはずじゃなかった」と、苦痛でしかありませんでした。
それでもようやく担任に相談。
レベルを下げると簡単過ぎてしまうから、少し雰囲気の違う、同じレベルの別のクラスに変わってみてはどうか、と提案してもらえました。
確かに、ついていけるレベルに逃げるのは簡単。
だけど、自分がここにきた目的は何だったのかをもう一度考え直し、レベルを下げずにクラスだけ変更したのです。
変更後は、クラスの雰囲気にもすぐに慣れ、グループワーク中心の授業で少しづつ、自分の伝えたい事をどう伝えるか学んで行きました。
その後少しづつプレゼン型の授業が増えていきましたが、それも何とかこなせるようになっていきました。
そして3ヶ月後の卒業テストでは、上級クラスレベルまで成績を伸ばすことが出来たのです。
その後、ジョブインタビューをいくつか受けて、カフェとレストラン2つの仕事をGETすることが出来たのです。
どちらも日本人は私だけ。英語しかコミュニケーションツールがない環境でした。
仕事を始めたての頃
- お客さんの言葉が聞き取れない
- 聞き取れても意味がわからない
- スタッフ同士の会話が理解できない
- 話しかけられても会話が続かない
- 解ったフリしてうなづくだけ
なんてこともありました。
でもこのままじゃいけない!と初心に帰って
- 聞き取れなければ何度でも聞き直す
- 知らない言い回しであればどういう意味?と質問する
を繰り返しました。
そして仕事が終わった後もシェアハウスのオーナーさんと今日の出来事を話したり、英語字幕付きでドラマを見て耳を鍛えたりしました。
とにかく英語で会話をする・できるようになるために耳と口を鍛え、英語を話すことに集中したのです。
すると、だんだんと「英語で会話をする」事に対する緊張感もなくなり、スタッフやお客さんとの会話も自然にできるようになっていったのです。
ネイティブにはなれなくても、必ずコミュニケーションを取れるようになれる
正直に言って、私は今でも
教科書に載っている様な文法はほとんどわかりません。
語彙力も豊富とは思っていません。
ネイティブのように流暢に話すことも出来ません。
発音も決して綺麗とは言えません。
まだまだ話していてもわからない、理解できないことがたくさんあります。
それでも
- 英語で伝えたいことを伝える
- 相手の言いたい事を理解する
- わからないことを質問する
- 英語で物事を理解する
スキルと姿勢は身についていると思っています。
今は帰国してから数年経っており、さすがに当時と同レベルとはいかないまでも、英語でコミュニケーションは出来ていますし、カナダ人にもExcellent!といってもらえるぐらいのレベルは保っています。
なりたい自分をイメージし、それを実現するための方法を実践して反省して改善してまた実践する
一見遠回りに見えますが、より確実でスムーズに成長できる、一番の近道だということを、この経験から学ぶことができました。
まとめ
机上の勉強ができても、コミュニケーションをとることはできません。
英語でを話せるようになりたい、コミュニケーションを取れるようになりたいなら
英語を話して聞いてという機会をとにかく増やすことが大切です。
海外に住んでいても実は喋らなくても生活できますし、暮らしている日本人はごまんといます。
カナダでも、日本人だけでつるんでいる留学生をたくさんいましたし、日本食レストランでは日本語が飛び交っていますから。
今はオンラインでも英会話スクールに通えるし、動画サイトで海外ドラマや映画もいつでもみることが出来ます。
SNSで英会話の練習相手を募集することもできます。
動画サイトで英語のレッスンをしているチャンネルもたくさんあります。
日本にいるか海外にいるかは関係ありません。
例え机上の勉強だけ人よりできたとしても、実際に自分の耳で聞いた事を理解し、口を動かさなければ、コミュニケーションはとれないのですから。
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