


私、英文法じゃなくてスピーキングを鍛える本が知りたいんですけど・・・

この本は「話すため」の英文法を学べるということを売りにした、珍しい参考書なんだ!

一億人の英文法とは
『一億人の英文法』の著者は、NHKの語学番組でも人気講師の大西泰斗さんです。
大西泰斗さんの英語の講義は、「おもしろい」「わかりやすい」と、ネットでの評判も良いです。
これから英語をやる人には「一億人の英文法」お勧めします。大学入試の勉強にも使えますし、TOEICや英検の対策にも十分使えますね。というか、「こんなニュアンスの違いがあったのか!」と目から鱗が落ちる表現が満載です。
— 秋山優花里 (@Yukari7TP) January 1, 2019
TOEICスコアアップを目標とした勉強と英会話学校中心のスピーキングの勉強はいつも通りに、これを夏休みの宿題にしよう。
・一億人の英文法通読#vana11
— ひでちゃん(Rainmaker) (@hidechan950) July 21, 2019
実はこの「一億人の英文法」TOEIC対策としても人気でおすすめです!
本は、688ページで1,800円+税ということで、英文法の本としては妥当な分量と値段かなという印象です。
(TOEIC対策が出来ることも考えたらコスパが良いです!)
この本ですが、「英文法」とタイトルにある通り、基本的には文法について説明している参考書です。
ただ、「話す」ことを目的としているという点で、他の文法書とは一線を画しています。
「今までも文法書を読んだことあるけど、難しくて・・・」という方でも読みやすいと思います。
英語を話せるようになるキーワード「心」
では、なぜ「一億人の英文法」を読むと、英語を話せるようになるのでしょうか?
その答えのキーワードが、「心」です。
あっ、根性論とか精神論は語らないので、安心してくださいね(^^;
なぜ「心」が重要なのか、普段日本語で会話する場面を想像しながら説明していきますね。
そもそも皆さんは、なぜ会話をしますか?
目的に違いはあると思いますが、「何かを伝えたい」から話しますよね。
例えば、昨日見たテレビ番組がおもしろかったことを伝えるのに、「主語はこうで、述語は過去形にしないと」なんて考えてないですよね。
「ここを伝えたいから、強調しよう」というのがあって、文章が組み上がるというイメージだと思います。
(日本語の場合は、母国語なので無意識でやっているのだと思いますが)
英語だって、そこは変わらないはずです。
日本人は、英語を学校の勉強として学んできたので、「正しい文法で英文を作らないと」という意識が強く働くのはあるかと思います。
でも、言語は「伝えるためのツール」であって、大事なのは「伝えること」です。
「一億人の英文法」では、英文法の知識だけでなく、その構文をネイティブの方がどういう気持ちを表現したくて使っているのか、という部分にまで踏み込んで解説しています。
つまり、その文法にどんな「心」が宿っているのかをイメージしながら学ぶことができるんです。
英語で話すために必須の「4つ」の要素
それでは、本の中身を少し覗いてみましょう。
まず、大前提として「英語は配置が大切」というのを頭に入れておいてください。
この配置が、英語の仕組みを理解するうえで重要となります。
この本では、英語で話すために必須となる「4つ」の要素を軸にパート分けがされています。
- 基本文型
- 修飾方向
- 配置転換
- 時表現
この4つのポイントについて、詳しく見ていきましょう。
基本文型
英文の基本文型は、次の4つで、それぞれの型には意味があります。
型 | 構成 | 意味 |
他動型 | 主語+動詞+目的語 | 力を及ぼす |
自動型 | 主語+動詞 | 単なる動作 |
説明型 | 主語+動詞+説明語句 | 主語の説明 |
授与型 | 主語+動詞+目的語+目的語 | 手渡し |
- 他動型【日本の文法だと第2文型(SVO)】
例:He took photos. - 自動型【日本の文法だと第1文型(SV)】
例:I understand. - 説明型【日本の文法だと第3文型(SVC)】
例:babies are cute. (S:主語 イコール C:補語) - 他動型【日本の文法だと第4文型(SVOO】
例:I will send you a certificate. (O:目的語you ≠O:目的語a certificate)
すべての英文が、この4つの型のどれかに当てはまるようです。
そして、型が分かれば、細かい文法の知識なんてなくても文章の意味を推測することができます。
この4つの型は英文の設計図のようなものです。
まずは、4つの基本文型とその意味を理解しましょう。

例:I named a dog TARO. ( O:目的語a dog イコール C:補語TARO)
修飾方向
より詳しく説明するために、修飾のテクニックが必要となります。
修飾には、前から修飾するパターンと後ろから修飾するパターンの2パターンがありますが、それぞれ意味が異なります。
- 前から修飾するパターン→限定する
- 後ろから修飾するパターン→説明する
この基本さえ押さえておけば、どんな修飾にも対応できます。
例えば、次の2つの文章で「black」という単語が出てきますが、役割の違いが分かりますか?
The black dog is mine.ーその黒い犬は私の犬です。
My dog is black. ー私の犬は黒いです。
前半の文章では、白い犬や茶色い犬など複数の犬がいる中で、「白でも茶色でもなくて黒い犬」と、dogはどの犬のことを指しているのか限定するという役割を担っています。
それに対して、後半の文章では、「私の犬はね、黒いんだよ」と、blackは「my dogがどんな色をしているのか」という説明の役割を持っています。
配置転換
「英語は配置が大切」だといいましたが、これは裏を返せば「配置を崩すにはそれだけの感情・意図が存在する」ということです。
例えば、感情をより強調して伝える感嘆文は、この配置転換によるものです。
What a beautiful picture you have!ーなんて美しい写真を持っているんだ!
この文章、基本文型で考えればYou have a beautiful picture.となるはずです。
でもそれを崩したということは、「写真の美しさに惚れ惚れする」という感情の動きを表現したいということです。
時表現
みなさんも、学校で「現在形」や「過去形」、「完了形」など、時を表す表現は習ったかと思います。
でも、「現在完了形とかって何個か意味があって覚えるのが大変」って思われた方もいるかもしれませんね。

この本では、「時は感覚でとらえろ」と書かれています。
意味を機械的に覚えるのではなく、その時表現が持つ根本的なニュアンスを掴むことが大切ということです。
例えば、次の2つの文章のニュアンスの違いを考えてみます。
I visited London.ー私はロンドンを訪れました。
I have visited London.ー私はロンドンを訪れたことがあります。
この2つ、「私が過去のある期間ロンドンを訪れていた」という事実は一緒です。
この2つの違いはどこからくるかというと、「ロンドンを訪れた」という事実に対する距離感です。
過去形の場合、「遠く離れた」というニュアンスが含まれています。
なので、「昔ロンドンに行ったんだよね~」という感じで、今の自分と「ロンドンを訪れた事実」に距離があるという感じを与えます。
それに対して、現在進行形は「迫ってくる」というニュアンスを含んでいます。
そこから、「いや~、ロンドンに行ったけど、あの経験は今も心の中で輝いているよ」という感じで、「ロンドンを訪れた事実」が自分の近くにあるという感じを与えます。(文法的にいえば、現在完了形の持つ「経験」の用法にあたります。)
過去形・現在完了形を機械的に覚えていたら、こんなニュアンスの違いに気づかないですよね。
ニュアンスをイメージで掴める
この本のおもしろいところは、「ニュアンスをイメージで掴む」ことができるということです。
これができると、複数の意味をいちいち暗記しなくてもよくなります。
例えば、前置詞の中にはたくさん意味を持ったものがありますよね。
onの意味を挙げると、
- 接触:~の上に、~に
- 支持:~を支えとして
- 近接・方向:~に接して、~に沿って
- 基礎・原因・理由など:~に基づいて、~による
など、たくさんあります。
ですが、onが「上に乗っている」という基本イメージを理解できれば、何となくイメージすることができるというわけです。
- 接触:上に乗っている→~の上に、~に
- 支持:上に乗っているものを下から支えている→~を支えとして
- 近接・方向:線上・ベクトル上に乗っている→~に接して、~に沿って
- 基礎・原因・理由など:「結論・結果など」は「基礎・原因・理由など」を土台として成り立っている→~に基づいて、~による
このように、イメージとして英語を理解することで、暗記ではできない「本質を理解した英語」を身につけることができるんです!
「一億人の英文法」を効果的に活用するためのポイント
内容を大まかに説明したところで、「一億人の英文法」をより効果的に活用するためのポイントをまとめておきます。
本の最初にある「本書の特徴・使い方」という部分から、特に必要だと感じた部分を取り上げます。
最初から順番に読む
英文法書だと、知りたいところを読むという辞書的な使い方をする方も少なくないかと思います。
ですが、この本は最初から順番に読みましょう。
特に、「この部分は分かっているから」というので飛ばすのは止めたほうがいいです。
この本は他の文法書には載ってないような深いところまで踏み込んだ内容もあります。
すでに知っている内容でも新たな発見があると思います。
「文法書を一から読むなんて大変そう・・・」と感じるかもしれませんが、読み物としておもしろいので、案外楽しく読めちゃいますよ!
「心」を働かせながら例文を声に出してみる
この本は、「話せる英語」を目指しているので、話す訓練を積むことも必要ですね。
例文を声に出して音読することで、英語特有のリズムや英語の配置を身体に覚え込ませましょう。
このときに、「この文章はどんな感情が込められているのか」と「心」を働かせると、ネイティブの感覚を掴みやすいかと思います。
アプリを活用して、勉強効率UP!
さらに、「一億人の英文法」のアプリ版を使えば、さらに勉強効率が高まります。
アプリでは「音声学習」や「確認テスト」など、本の中にはない機能が詰め込まれています。
自分の発音と聞き比べたり、確認テストでどのくらい理解しているのか力試しをしたりして活用するとよいでしょう。
このアプリ版は有料ですが、480円ということで、使い倒せば十分元が取れる価格です。
https://apps.apple.com/jp/app/%E6%9D%B1%E9%80%B2%E3%83%96%E3%83%83%E3%82%AF%E3%82%B9store/id813566890
- Apple Store/Google Playから「東進ブックス Store」を無料でダウンロードする
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まとめ
今回は、「一億人の英文法」をご紹介しました。
独学で英会話を学ぶなら、英語を感覚的に理解することのできるこの本がおすすめです。
内容を理解しつつ、音読を通じて頭でも身体でも英語を感じられるようにしていきましょう。
反面、独学で英会話を学ぶのが難しいという方は、英「会話」なので相手とのやり取りを通じて学んでいきたいという方もいるかと思います。そういった方にはオンライン英会話を受講してみることをオススメします。ぜひ、気になったところに無料体験をして比較して見てください。
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