千葉県在住、Mさん(40代、女性)に
サンディエゴの留学に関する体験談を教えていただきました!
国 :アメリカ・サンディエゴ
期間:1年
目的:留学
大学3年生の秋から1年間アメリカのサンディエゴという町にある大学に留学しました。
たった一年の短い留学期間でしたが、学んだことや経験したことは語りつくせないほどで、その後の自分の人生の大きな糧となりました。
留学先の町 サンディエゴ
留学したのはアメリカのサンディエゴにある大学でした。
サンディエゴはロサンゼルスから車で3時間くらいの距離のところにあるとても治安の良い町です。年中温暖で気候が良く、ほとんど雨が降りません。
アメリカの住みやすい町に上位にランクインするほど魅力的な街です。
寮に入る事もできましたが、私が選んだのはホームステイでした。どうしてもアメリカの家庭で普通の生活を体験してみたかったのです。
実際、ホームステイでは学校生活とは違うアメリカの生活を体験することが出来ました。
アメリカに到着!ホストファミリーと対面!!
サンディエゴの空港にはホストファミリーではなく、大学の関係者の方が迎えに来てくれて同じ便で到着した学生を順番に各ホストファミリーの家に送ってくれました。
家に着くまでの間、「これぞアメリカ!」と思うような広い道を走る車の中から窓の外を眺めていたら「とうとうアメリカに来たんだ!留学の夢がかなったんだ!」とだんだん実感がわいてきました。
あの光景は20年以上たった今でも鮮明に覚えています。
不安と期待の留学生活のスタート
家に着くと、ホストマザーとホストファーザーが出迎えてくれました。まだ30代の若い夫婦で、子供はいない家庭でした。
ご夫婦の希望で女の子しか受け入れていないということで、同じ家にブラジル人とスイス人の女の子がステイしていました。その二人と同じ家にステイできたことで気軽に英語で話す機会を多く持てたり、相談できたりして本当に楽しかったし心強かったです。
ブラジル人の子は銀行員、スイス人の子は看護師で、どちらも仕事を休職して留学してきていました。
ホストマザーとホストファーザーが部屋に案内してくれて、”You need to take a rest, and unpack your baggage.(休んだほうが良い。荷解きをして。)”と言ってくれました。
部屋に一人になって、涙がボロボロこぼれ、しばらくの間涙が止まりませんでした。
なぜ涙が出たのか今でも分かりません。
無事にアメリカについた安心感の様な気もするし、これから1年頑張れるかの不安もあったかもしれません。または、ホストファミリーとしっかりと会話が出来たことへの安堵だったのかもしれません。
とにかくそこで一休みしてから荷物を部屋に整理して、私の夢だったアメリカ留学、ホームステイが始まったのです。
アメリカと日本の違いでいきなり大失敗!
お風呂で失敗!
アメリカのことは映画やドラマでは見ていたけどいざ暮らすとなると色々な失敗をしてしまいました。
例えばお風呂。
サンディエゴは雨が少なく水が貴重なのであまり大量の水を使わないように注意しなければならなかったので、シャワーを使う時にも使いすぎないように気を付け、完璧だ!と思っていたのにシャワーカーテンの使い方を間違ってしまい、バスルームを水浸しにしてしまったことがありました。
洗濯で失敗!
洗濯もずいぶん日本とは違いました。
私がステイしていた家では自分のものは自分で洗うルールだったので雨でジーンズが汚れてしまった日に洗濯機でジーンズを洗ったのです。
そこまでは良かったのですが、アメリカでは多くの家で洗濯物を外に干すことは珍しいくらい乾燥機を使うことが普通なので、私もジーンズを洗濯機で乾かそうとしたのです。
そうしたらジーンズの金具が乾燥機の中でガタガタ言ったり、その割には全然乾かなくて本当に困りました。どうしようかと困っていたらホストマザーが助けてくれて、乾燥機である程度乾いたら室内に干してもいいと言ってくれました。
「なるべく迷惑をかけないように」とばかり思っていましたが、それよりもしっかりと確認したりどうしたらいいか相談するほうが良いのだと気が付きました。
大学と語学学校 有意義だった学校生活
学生たちの通学事情
キャンパスには行きは車で通いました。同じ家にステイしていたスイス人の女の子が車を借りていたので一緒に乗せてもらえたのです。みんなで好きな音楽を聞きながらおしゃべりしながらの通学は今でも思い出の一つです。
帰りはみんなそれぞれ帰る時間が違うので私はバスで帰りました。私は当時日本でも運転免許を持っていなかったのでアメリカでも運転はしませんでしたし、多くの学生がバス通学でしたが、車で通学している学生も大勢いました。
キャンパスが広い!
そして、驚いたのはそのキャンパスの広大さです。
校内を歩くのが大変だったので自転車で移動したいと思ったほどでした。敷地内に学校で必要なものはなんでも買えるほどお店もあったし、大きな本屋さんもありました。
カフェテリアと本屋さんが近かったので本屋さんで本を買って、それをカフェテリアで読んだり宿題をしたり、次の授業へ向けて準備したりとよく利用しました。
友達にも会えたし、すごく良い交流の場で、大好きな場所でした。
勉強熱心で大学に誇りを持っている学生たち
また、日本の大学に比べて学生はみんな自分の大学に誇りを持っていたと思います。
大学のロゴ入りのパーカーやTシャツを着ている人も多かったし、勉強もとても熱心なのです。バスを待つ間にもバス停近くの芝生に座ってレポートを作成している人や本を読んでいる人がたくさんいました。ロゴ入りTシャツは私も購入してよく着ていました。
なんだかそれだけで留学したばかりでも学生の仲間入りができた気がしました。
勉強面では、覚悟していたとはいえすべて英語で授業を受け、英語で会話し、英語で試験を受け、英語でレポートを出す…学生生活は想像以上に過酷でした。
英語の発音や板書も先生によってずいぶん違うし、もう板書をとるだけで精一杯!なんてこともあったり、メモを取ったつもりが家に帰ってみると英語と日本語で混じったメモになっていることもあって思わず笑ってしまったこともありました。
でも、その結果にかかわらず、それを1年頑張った自分に自信が持てたことは大きな収穫だったと思っています。少しのことではへこたれなくなったし、転んでもただでは起きぬ精神を養えたと思います。
アメリカの、しかも学生には日本人とは違って行間や空気を読む文化は全くと言っていいほどありませんから、どれだけ自分というものと信念をもって毎日を過ごすかの大切さを知ったし、日本に帰国してから自分自身がたくましくなっていることに気が付きました。
語学学校でも出会いや良い経験が!
さらに、私にはもう一つ勉強と出会いの場がありました。
大学と同時進行で大学と提携している語学学校にも通っていたのです。
語学学校は大学とは一味違って、英語を学ぶための学校なので大学よりも色々な国から学生が集まっているのです。
大学の授業の後にこの語学学校に通っていたので忙しかったし大学の方の友達とゆっくりコミュニケーションをとれなかったのは残念でしたが、こちらではアメリカ人だけでなくドイツ人、スイス人、韓国人など色々な国の人と知り合うことが出来たのでとても面白かったです。
ディベートの授業がおもしろい!
大学も語学学校も学生はみんな手を抜かず精一杯勉強に励んでいたのがとても印象的でした。特にディベートの授業ではみんなとても熱心なのです。自己主張をするだけではなく相手の意見にもしっかりと耳を傾け、それについて意見を出し合います。
だから、自分自身もしっかりと授業までに準備をして自分の意見をまとめなければ!と思って一生懸命に準備をしました。細かく調べ物をしたり、英語での表現を辞書で確認したり必死でした。まだインターネットなどなかったので図書館にこもって本を使って調べました。
それが全く苦ではないのです。本当にやりがいがあったし、楽しくて面白くて仕方がなかったです。そのおかげか、今でも英文を読むことも分からない単語があれば辞書を引くことも習慣になっています。
嬉しかったホストマザーの言葉
ある時、自分が出した意見が次の授業のテーマに選ばれたことがありました。なんだか自分の努力が報われた気がしてとても嬉しかったし次の授業の時はいつも以上に気合も入りました。
友達が授業で分からないところがあると言って私のステイ先の家にまで訪問してきてくれたことがありました。私は私の持てる限りの英語力を駆使して友達に丁寧に説明しました。
その様子を見ていたホストマザーが感激してとてもほめてくれて、「あなたは絶対に学校の先生になるべきだ!」とまで言ってくれました。その後私は教師にはなりませんでしたが、そうやって自分自身のことを全力で認めてほめてくれる人がいることを忘れないでいようと今でも思っています。
このように自分の強みを生かせる部分もたくさんあり、興味のあることはとことん突き詰めることのできたアメリカ留学となりました。
最初は不安と期待といろいろな気持ちが入り混じって自分でも自分の気持ちが分からないくらい混乱した気持ちでのスタートでしたが、ホストファミリー初め周りの人のサポートや温かさに支えられて大きなトラブルなく一年をすごすことが出来ました。
サンディエゴの人たちに心から感謝しています。
最後に ~行く前の自分にアドバイスするとしたら?~
アメリカに留学してみて思ったのは人には時間やチャンスは平等に与えられているのではないかということです。
特にサンディエゴはメキシコとの国境にも近く、ロサンゼルスにも近いので色々な文化や国の人が混じっている町でした。その中で良くも悪くも「日本人だから」のような扱いをされたこともないし、いわゆる「平等」であると感じました。
誰も知っている人のいない環境で一から人間関係を築けたこともその後の社会人としての生活や振る舞いにも大きな影響があったと思っています。
ですから、アメリカに行く前の自分にアドバイスするとすれば、
と伝えたいです。ただ日々を何気なく過ごしていてはもしチャンスが目の前に現れてもそれをつかむ力はありません。
それはどこにいようと、学生だろうと社会人だろうと変わりません。いつチャンスが来てもそれをつかむことが出来るようにアンテナを張ってしっかりと準備をしておくことがチャンスをつかむ一番の方法なのだとアメリカ留学で知った気がします。
英語が好き、英語を学びたい、英語を話せるようになりたい、その気持ちがアメリカ留学を実現したことも含め自分自身で自分の人生ややりたいことを決め、突き進む原動力になりました。
私を信じてすべてサポートしてくれた両親や周りの方々にも心から感謝しています。
まとめ
・チャンスは平等!つかめるかどうかは自分次第
・やってみたいことはどんどんチャレンジ!絶対にあきらめないで
・人との出会いはそれだけで自分の世界を広げてくれる奇跡