憧れの海外移住へ④海外でもペットを飼いたい!犬派?猫派?各国のペット事情

ユッコ
海外って、ペットを飼っている人が日本より多いイメージ。私も海外に住むなら犬を飼いたいな
チヒロさん
そうだね。海外はたしかに犬を飼っている人が日本より多いから、海外に住むとペットが欲しくなる、っていうのは私も経験したよ。
のに先輩
それじゃあ、今回は海外のペット事情についてみてみようか。ここでも文化の違いが見えて面白いはずだよ

動物好きな国はどこ?

日本を出て海外に住んでみると、街中にペットを連れた人を多く見ることになるかもしれません。

というのも、世界的にみると日本のペットの飼育率は低いのです。

「犬や猫などのペットをどれくらい飼っているのか」という、
グローバルな調査企業「GfK」のアンケート(対象:22の国と地域に住む、計27,000人)によると、
日本のペットの飼育率は37%

これは22カ国中19位と、かなり低い結果です。
同じくアジア圏の香港は35%、韓国は31%と、アジア圏はペットの飼育率が低いことが伺えます。

一方で、ペットの飼育率が高いのが中南米
アルゼンチンメキシコでは80%ブラジルでは75%の人がペットを飼っています。

以降はロシア73%アメリカ70%続きますが、詳しくはこちらををご覧ください。

(参考:Gfk「グローバルのペット飼育率調査」)

平均すると、世界各国では56%の人がペットを飼っていることになりますので、
日本を含めアジアの飼育率が低いことが分かりますね。

飼育率の高い国に比べて国土が小さく、集合住宅が多いことや、共働きの世帯が多いこと
が関係していそうです。

 

国ごとに人気のペットは違う!?

Gfkの調査によると、世界で最も多く飼われているのが
3人に1人が犬を飼っているという結果が出ています。
次いで、猫(23%)、魚(12%)、鳥(6%)の順に人気ということですが、
日本の人気ペットもこんなラインナップな気がしますね。

を飼っている割合が最も高かったのはアルゼンチン66%、次いでメキシコ64%です。また、を飼っている割合が高かったのは、ロシア57%、フランス41%
では中国17%
ではトルコ20% がトップという結果に。

人気のペットが違うことは、歴史的な背景が影響していることが多いそうですが、
こうなってくると気になるのが犬派・猫派論争

さっそく見ていきましょう♪

犬派の国 VS 猫派の国

先ほどのGfkの調査結果をみると、犬派の国、猫派の国はそれぞれ以下の通り。

犬派の国

アメリカ
アルゼンチン
オーストラリア
スペイン
韓国
ポーランド
メキシコ
日本
ブラジル
中国
チェコ
香港

猫派の国

ロシア
ベルギー
フランス
ドイツ

なんてことでしょう。
犬派の国の方が圧倒的に多い!(笑)もう少しバラけるかと思ったのですが…

ちなみに、犬猫ほぼ同率で飼われている国はイギリス、オランダ、イタリアでした。

調べてみると、このような犬派・猫派の違い、特に猫派の国については
各国の宗教や、それにまつわる様々な伝説に影響されているようです。
歴史のなかに動物が登場することもあり、どの国でも古い時代から動物と人間は共存していたということですね。

Gfkの調査結果には載っていませんでしたが、イスラム教の国では猫の飼育率の方が高いそう。
かつての預言者ムハマンドが猫を溺愛していたため、イスラム教の国では猫が大事にされていると言われています。
ムハンマドはイスラム帝国の歴史を語るうえで欠かせない重要人物で
「猫をいじめてはいけない、殺してはいけない」と強く指示していたそうです。
それが後世にまで語り継がれた結果、イスラム地域では猫は神に近い存在、神聖な生き物と大事に考えられてきました。

また、ロシアではダントツに猫人気が高いですが、『新しい家のドアを最初に入ったのが猫だと家の持ち主に幸運が訪れる』という言い伝えがあるそうです。
そのせいもあってか、ロシアの民話や言い伝えには猫が多く登場します
「ロシアの猫は石油コンロを修理したり、争いごとを収拾したりできる」という言い伝えや、
魔法の声でどんな病気も治してしまう”バユン”という猫の民話があったりと、
子供のころから猫に触れる機会が多いのがロシアが猫好きの所以かもしれません。

さらにロシア原産の猫、ロシアンブルーサイベリアンは日本でも人気ですよね。このようなブランド猫が多いことも、ロシアで猫が人気な理由のひとつかもしれません。

 

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海外でペットを飼うなら?

ペットショップでは買えない!?

日本でペットを飼うときは、ペットショップで買うのが一般的ですよね。

けれど、海外のペットショップ、特にヨーロッパのペットショップでは、生体は販売されていない場合が多いので注意が必要です。

日本では、ペット用品と生体、どちらも買えるのがペットショップ、という認識ですが、
海外のペットショップは、もっぱら「ペットグッズ」を買える場所として認識されています

一部、生体を販売しているペットショップもあるようですが、モラルの問題からその数は少ないんだとか。

また、ペットに関する法律がかなり厳しく、生体を販売するペットショップの運営は完全許可制で、ライセンスを持たないペットショップが店頭でのペットを販売する事は厳しく禁止されているそうです。

ヨーロッパはペット先進国なんて聞きますが、「モラルの問題で」ペットショップで生体販売がされていないなんて面白いですね。
日本でもペットを大切にしている人はもちろんたくさんいますが、
ヨーロッパでは、愛玩するための持ち物ではなく、家族の一員として尊重されていることがよくわかります。

しかし、ペットショップから調達できないなら、いったいどこでペットを買えばよいのでしょうか。

ブリーダーから

実は海外では、ペットショップではなくブリーダーから直接買うのが一般的です。

日本では、ブリーダーから直接子犬や子猫を家族に迎え入れる方は少数派なので、イメージがつかみづらいかもしれませんね。

海外では、ペットが欲しい人は直接ブリーダーのもとに行き、予約をして購入します。
予約をする前に、ブリーダー本人や家族、育てる環境を確認することができるので、安心してペットを購入することができるというメリットがあります。

また、この仕組みの良い所は、ブリーダーが不必要な繁殖を行わなくて良い事です。
計画的に繁殖させることができるので、買い手がいなくて殺処分、ということを避けるので、動物にとっても良い仕組みですよね。ブリーダーからその子の特徴を聞くこともできます。

一生をともにするペットの選び方としては、日本のペットショップシステムよりも進んでいるように感じますね。

シェルターから

シェルターとは、捨て犬・捨て猫・保護犬・保護猫たちを収容する施設のこと。

シェルターを運営している団体が譲渡会」を頻繁に開催しており、そこに参加して引き取る、というのがシェルターからペットを買う方法です。

日本で言うところの保健所と同じ仕組みですね。

しかし、日本ではまだまだ動物愛護の活動をしている個人や団体が少なく、
また引き取り手が期限内に表れない場合は殺処分などの処置が取られますが、
ヨーロッパでは察処分されない施設も多くあります。

ドイツの「ティアハイム」は察処分を行わないシェルターのひとつで、
なんと寄付金だけで運営されているというのですから驚きです。
それだけ国民の意識の中で、動物が大切にされているんでしょうね。

また、アメリカには「アニマルコントロール」「ノーキルシェルター」「完全ノーキルシェルター」があり、それぞれに少しずつ役割が違います。

●アニマルコントロール 自治体が税金で運営している簡素な動物収容施設。通報された動物や障害を起こした動物が収容される施設で、最低限のケアしか行っていない。多くが殺処分前提で、その点は日本の保健所と同じ。さらに一般の人が入りやすい雰囲気とはいえないため、ペットをもらいにいくには適さない。

●ノーキルシェルター …殺処分をしない、または極力しない方針を取っている施設。人々が足を運びやすく、また収容されている動物たちにとって居心地の良い環境作りが徹底されている。殺処分を望まない飼い主からの持ち込みも受け入れている。ペットをもらいにいくのに適している。

●完全ノーキルシェルター …障害を起こした動物や、不治の病の動物も受け入れるノーキルシェルター。過去問題を起こした動物を正しくしつけ、適した環境で育てることもしており、問題のない子はノーキルシェルター同様、譲渡会で里親を探す

シェルターからもらってくるということは里親になるということなので、
生体にかかる費用が無料なのもうれしいポイントです。
施設の動物を家族に迎え入れる、という選択肢も素敵ですね。

友人、知人から

海外では、ブリーダーやシェルターからだけでなく、友人、知人から、飼えなくなった動物を譲り受けるのも一般的。

移住先に動物好きな知人がいるなら、聞いてみるといいかもしれません。

「友達の犬が子犬を産んだよ!」なんてこともあるかもしれません。

日本で飼っていた子を連れていく方法

移住先で新しくパートナーとなる子を見つけることもできますが、
もちろん日本で一緒に過ごしてきた子を連れていくことも可能です。

簡単に、日本から国外にペットを連れていく際の流れを、犬(猫)の場合を例に簡単にご説明します。

  1. ペットの状態の確認
    ペットの状態といっても、ここで確認するのは2つ。
    狂犬病のワクチンを打っているか、そして マイクロチップが装着されているか、です。
    これを確認してから②へ着手するとスムーズでしょう。
  2. 輸出検疫の準備
    日本から外国に犬(猫)を連れていく場合は、輸出検疫が必要となります。
    輸出検疫とは、動物検疫は、動物の病気の侵入を防ぐことを目的とした検疫制度で、世界各国で行われています。犬や猫はもちろん、鳥類や家畜なども対象となります。
    移住先によっては入国の条件として予防注射や投薬などの条件を定めており、国によって制限も異なるので、事前に確認して相手国の条件にあった書類を準備する必要があります
    移住先の条件は、各国の大使館か、動物検疫機関に確認しましょう。
のに先輩
条件の内容によっては検査に長期間要する場合もあるので、ト同伴の移住計画を立てる場合は早めに輸出検疫を受けましょう輸出予定の7日前までには輸出検査申請書の提出が必要です。
  1. ペットの輸送法を選ぶ
    ペットの輸送方法は2つ。手荷物として飛行機と一緒に乗る、または輸送会社に委託する、です。
    輸送業者の場合、AWB(Air Way Bill)という書類の作成が必要なので輸送業者に問い合わせてみましょう。
    飛行機に乗せる場合は、機内持ち込みにするか、貨物室預かりかが悩ましいところですが、機内持ち込みを希望する場合は航空会社がそれを可としているか、要確認です。
  2. 輸送用ケージ、バックの準備
    機内持ち込みの場合は、座席の下に荷物として入れることになりますので、あまり大きすぎるバッグはおすすめしません。
  3. 動物検疫申請書の提出
    必ず出国の7日前までに提出します。メールでも提出できますよ。
    以下の農林水産省のHPから、申請書をダウンロードできます。
    動物検疫所「各種申請・届け出様式」
  4. 移住先で動物検疫を実施
    移住先の空港についたら、動物検疫が必要です。
    実施の流れなど詳細は、移住先の動物検疫所に直接問い合わせるのが◎

かなり様々な手続きが必要ですので、
日本からペットを連れていく場合は、早め早めの行動を心がけましょう

 

これだけは知っておきたい!海外でペットを飼うときの注意

さて、ここまでペットをどんな方法で迎え入れるかについてお話してきましたが、
ここからはペットを迎えたあとの注意を述べていきたいと思います。

海外では、ペットに関する法律が日本に比べかなり厳しいです
ですから、ペットを飼おうとしているのなら、まずは法律を確認して、
「本当に飼えるのか」、もう一度考える必要があります。

いくら飼いたくても、法律を守れないようでは元も子もありませんからね。

早速、いくつかの国のペットに関する法律をご紹介していきたいと思います。

ヨーロッパ

ペット先進国と言われているヨーロッパでは、特に厳しい法律が存在します。

たとえばドイツでは犬の飼育についてのこんな法律が定められています。

ドイツ 犬の飼育に関する法律
  • 犬を長時間留守番(一匹だけで放置しておく)させてはいけない
  • 外の気温が、21℃を超える場合は、車内に犬を置き去りにしてはいけない
  •  1日最低2回、計3時間以上、屋外やドックランへ連れていかなければいけない

上記は一例ですが、1日2回、計3時間以上外に連れ出すなんて、1人暮らしで仕事をしている人にとってはかなり難しいんじゃないでしょうか。

また、ドイツの飼い主は”犬税”を支払う義務があり、大型犬ほど支払額が高くなります。

他にもオランダ、フィンランド、スイス、チェコなどで犬税が導入されており、こういったところからもヨーロッパがペット先進国であることが伺えますね。

アメリカ

アメリカの飼育中の法律はこちら。

アメリカ 犬の飼育に関する法律
  • 飼い主は、路上において犬を自分のコントロールのもとにおかなくてはならない
  • 公園(ドッグラン区画のある公園)以外の公の場でリードを外してはならない

犬を自分のコントロールのもとにおく、というのは当たり前のように感じますが、
ニューヨークやロサンゼルスでは、リードの長さは6フィート(1.8メートル)以内であること
と定められているほどの徹底ぶりです。

また、日本では時々リードをつけずに散歩をさせている飼い主がいますが
アメリカでは法律上それはNG。
うっかり公の場でリードを外さないよう、注意が必要です。

アルゼンチン

犬大国アルゼンチンにも、散歩に関する法律があります。

アルゼンチン 犬の飼育に関する法律
  • 自分の所有している、そうでない犬に関わらず、3匹以上を同時に散歩させてはいけない

アルゼンチンは犬大国なだけあって、ブリーダー散歩代行などの職業もメジャーですが、
犬へのストレス、また周囲の人への迷惑になる危険性があるため、
このような法律が存在します。

そして覚えておいていただきたいのは、虐待をしてはいけない排泄物は飼い主が処理をしなくてはならないなど、
日本にある法律は、海外でももちろん存在しているということ。

ですから、上記の注意点は、
あくまでも日本での当たり前を前提として考えるようにしてくださいね。

もしも飼っているペットが亡くなったら?

 

最後に、あまり考えたくはありませんが、ペットが亡くなってしまった場合についても少し触れたいと思います。
ペットも動物ですから、いつかは亡くなる、ということを考えた上で飼わなくてはなりません

そして、ペットは大切な家族ですから、亡くなった場合は丁寧に埋葬します。
これは日本も海外も同じですね。

日本ではよく”庭に埋める”という話を聞きますが、庭のない家でも飼える室内犬が増えたことや、ペットを家族として思う人々も増えたため、最近ではペットの火葬ペット霊園も一般的になってきました。

一方、海外では人も動物も土葬が一般的
特にキリスト教信者の多い国では、『死者は生きかえる(可能性がある)』という教えから、火葬はタブーとされてきました。

しかし、現在は海外でも火葬が増えてきておりペットのお骨を残しておきたい、という飼い主は特に、火葬をオーダーすることが多いそうです

多少の文化の違いはあれど、家族として、ペットを最後まで大切にしよう、という気持ちは万国共通ですね。

まとめ

海外のペット事情を見てきましたが、いかがでしたか?

家族の一員として、ペットと海外で暮らす…というのは憧れの海外移住ライフ
周囲に飼っている人が多ければ、自分も欲しくなってしまいそうですね!

それではまとめです。

まとめ
  • 日本をはじめ、アジアの国はペットの飼育率が低い
  • 世界のペット飼育率平均は56%、犬派の国が圧倒的に多い
  • イスラム教信仰国、ロシアなどの猫派の国では、猫にまつわる民話や言い伝えがある
  • 海外でペットを飼うならブリーダーシェルターへ!友人からもらうのもアリ!
  • 日本からペットを連れていくことも可能だが、手続きが多いため、早めの準備を!
  • 日本とは法律が異なるので、今一度、本当に飼えるのか?確認!
  • ペットは家族。亡くなったあとのこともしっかり考えましょう

移住後、ふと寂しさを感じた時に飼いたくなってしまうペット。
幸せにしてあげるためにも、しっかり調べてから飼うようにしましょうね。

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