鈴木さん(スキーインストラクター、男性)の体験談をご紹介します。
え!?今日のお客さん、外人なの?
7、8年前、北関東の超マイナーなスキー場で日本人相手にスキーを教えていた時のこと。
どこの国の人か忘れてしまいましたが、なぜか日本語がほとんど分からない外国人がやってきたので、英語で教えることになりました。
スタッフの中で比較的英語ができる人、ということで自分が選ばれたのですが、これを伝えられた時はどうしようかと思いました。
比較的できると言っても日本の英語教育にどっぷり浸かっていたので、読み書きはできても聞く話すはからっきしダメ。
それでもやらなきゃいけない状況
大丈夫なんだろうか?と不安に思いつつ、仕方ないのでレッスンしましたが、予想通りかなり苦戦しました。
自分の英語は自信なさげで、聞かれたことに対する反応に時間がかかった上に、自分の言ったことが相手に伝わっていなさそうな雰囲気を感じることも多く、微妙な空気が流れたまま終わったレッスン。
日本人は英語が苦手というのは世界的に有名なせいか、そのお客さんはあまり気にしていなさそうでしたが、個人的にはスッキリしませんでした。
いや〜、長い1日だった…
臭いものに蓋をしない
そのレッスンがきっかけで今後のスキー業界の流れを考えた結果
「これからインバウンドの仕事は増えていくだろうから、英語である程度レッスンできるようになろう!」と一念発起。
レッスン中、本当に簡単な質問に対しても反応できなかった時が多かったので、まずは瞬発力を鍛えようと考えました。
瞬発力を鍛えるのに最も適した勉強方法は何か?と色々と探した結果、瞬間英作文という参考書に出会いました。
瞬間英作文とは、簡単な1行の日本語を聞き、それをすぐに英訳するというもの。
半年くらい、バイトの行き帰りや暇な時間は、瞬間英作文の本を見ながらひたすらブツブツ言ってました。
電車の中でもやっていたので、外から見たら相当怪しかったことでしょう。
瞬間英作文の他には、気が向いた時に150語くらいの文章を探して音読していました。
注意していたのは、意味のかたまりを意識すること。
あらかじめ、意味のかたまりに区切りを入れておきました。
黙読だとサラッと読めてしまうし、発音の練習も全くできないので、声に出すことが重要。
インプットとアウトプットを同時に強化されます。
ほどほどのレベルにも達していない苦手項目に目を向けないと、成長はしないと思い
臭いものには蓋をしたいのが人情ですが、この時は蓋をせずに向き合いました。
釣れた魚はデカかった
これまでに書いた英語の勉強を続けましたが、日常で英語を使う機会がなかったので、どのくらい力がついたのかは全く分かりませんでした。
そこで、日本では流行りのTOEICを受けてみることにしました。
最後にTOEICを受けたのは2000年代前半でどんな試験なのか完全に忘れていたので、過去問を5回分解いて、いざ本番。
そうしたら驚いたことに730点でした。
受験前のスコアは、正確には覚えていませんが500点前後だったので、200点上がったことになります。
この結果に気分を良くして、スキーを教える時に使うフレーズを覚えながら冬を待ち、カナダにスキー教師の資格を取りに行きました。
資格は取れたのですが、今思えば、あんな拙い英語でよく試験にパスしたものだと思います。
次に考えたのは、日本でどうやって稼げる英語環境を手に入れるかです。
なぜ、ワーホリではないの?と疑問に感じる人はいると思いますが、当時、既に30代半ばだったので、海外で働くという選択肢は残念ながら諦めざるを得ませんでした。
そんなこんなで、どうしようかなあと考えていたら、スキースクールの同僚が以前言っていたことを思い出しました。
「北海道には日本の中の海外と言っても過言ではないスキー場がある」
そこで、訪日外国人が多数訪れる北海道のスキー場のスキースクールの求人にダメ元で応募したら、たどたどしい英語でしたが、無事Skype面接を突破!
晴れて採用されました。
訪日外国人にスキーを教えるようになり、国内にいながら日本語より英語を話す時間のほうが長い環境をゲットできました。
稼ぎに関しては、初年度はそれまでと同じくらいでしたが、2年目から稼ぎが倍近くにまで増えました。
あと、訪日外国人でスキーをするような人は基本的に1万円を100円のように使うお金持ちが多いので、運がいい時は高級レストランでご馳走になれたり、チップを頂けたり、金持ちの世界を垣間見ることもできました。
まとめ
英語に完璧は必要なし!ほどほどで十分。
発音や文法を完璧にしないと英語は通じない、ということは全くありません。
発音も文法も完璧からほど遠い自分の英語でも、もう5シーズン、英語でスキーレッスンできていますから。
日本人でも日本語が完璧か、といわれると悩みますよね。
これを考えれば、とりあえずほどほど(=60点)を目指して気楽に勉強を続けるほうがいいということに気づくはずです。
やってもやっても成長が感じられない時は、知らぬうちに完璧主義になっていて目標設定が高すぎる場合が多いです。
そういう時は設定を少し下げて、ちょっとでもいいから成長できたという実感を得られるようにするのがオススメです。
今日は単語1つ覚えたからOK。
今日は1センテンス音読したからOK。
少しずつでも毎日続けることが大事なので、挫折しそうな時はこのノリで大丈夫です。
Let’s enjoy studying English!!
今回、体験談を寄稿頂いた鈴木さんについて、詳しく知りたい方コチラをご確認ください。
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