速読に効果的なスラッシュリーディングとは?リスニングの練習にもなる!

ユッコ
この前TOEICのテストを受けてきたんですけど、読むのに時間がかかっちゃって時間が足りなかったんですよ・・・
のに先輩
それなら「スラッシュリーディング」をしてみれば!

リーディング力だけじゃなくてリスニング力も上がるよ

スラッシュリーディングとは

スラッシュリーディングとは、文字通り英文にスラッシュ(/)を入れながら読む読解方法です。

英文にスラッシュを入れることで、意味のまとまりごとに理解することができます。
それによって、英語の語順のまま文章を理解するのを助けてくれます。

一口メモ
意味のまとまりのことを「チャンク(chunk)」や「センスグループ(sense group)」とも呼び、スラッシュリーディングのことを「チャンクリーディング」とも言います

元々は、同時通訳者が英語を瞬時に理解するために使っていた方法のようです。
そこから、英文を速く読むための方法としてリーディングに取り入れられるようになりました。

 

スラッシュリーディングのメリット

では、スラッシュリーディングを身につけると、どんなメリットがあるのでしょうか?

ここでは、次の3つについて詳しく見ていきましょう。

  1. リーディングのスピードが上がる
  2. 文章構造を把握しやすくなる構造を把握しやすくなる
  3. リスニング力にもつながる

 

リーディングのスピードが上がる

スラッシュリーディングを取り入れることで、リーディングのスピードを上げることができます
なぜリーディングのスピードが上がるかというと、「返り読み」を減らすことができるからです。

どういうことか、例文を使って見ていきましょう。
次の例文があったら、皆さんはどうやって読みますか?

They had been playing soccer for two hours before it suddenly began to rain.

この文章は「突然雨が降り出す前まで、彼らは2時間サッカーをしていた」という意味です。
この和訳の順番で読もうとすると、「before it suddenly began to rain」を読んでから「They had ~」と最初に戻ることになります。

では、スラッシュリーディングでは、どうなるでしょう?

They had been playing soccer / for two hours / before it suddenly began to rain.
彼らはサッカーをしていた/2時間/突然雨が降り出す前まで

日本語としては少し変ですが、これでも意味は分かりますよね。

リーディングのスピードを上げるには、「いかに早く大まかに意味を理解するか」がカギとなります。
いちいち戻りながらきれいな和訳を作るよりも、スラッシュリーディングで前から順に意味を理解していく方が、リーディングのスピードが上がります。

 

文章構造を把握しやすくなる

スラッシュリーディングをすれば、複雑な文章でも構造を把握しやすくなります

例えば、次のような文章があったとします。

Bob talked to the woman who lived next door when I visited his house.
この文章は「私が彼の家を訪ねたとき、ボブは隣に住んでいる女性と話していた」という意味です。
パッと見ちょっと複雑ですよね。

これをスラッシュリーディングで読んでいくとこうなります。
Bob talked / to the woman / who lived next door / when I visited his house.
ボブは話していた/女性と/隣に住んでいる/私が彼の家を訪ねたとき

スラッシュを入れることで、意味のまとまりごとに分解できて、構造が分かりやすくなりましたね。

逆をいえば、スラッシュリーディングをしようとする自体が、「どこで区切るのがいいのかな」と考え、文章構造を理解するトレーニングにもなります。

 

リスニング力にもつながる

スラッシュリーディングをすると、英語の語順のまま理解するようになるため、聞き直しのできないリスニング力向上にもつながります。
元々、同時通訳者が瞬時に英語を理解する方法だったことを考えれば、ある意味当然なのかもしれませんが・・・

単語自体は聞き取れるけど、英文の意味を理解するのが難しい」と感じている方は、スラッシュリーディングをリスニング力向上に活用してみてはいかがでしょうか!

 

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スラッシュリーディングの方法

それでは、スラッシュリーディングの方法について見ていきましょう。

やること自体は「意味のまとまりごとにスラッシュで区切るだけ」なのですが、「じゃあ、どこにスラッシュ入れたらいいんだ」ってなりますよね。
人によって様々なやり方がありますので、ここではあくまでも一例をご紹介します。
スラッシュリーディングに慣れてきたら、自分の分かりやすいようにアレンジしていくとよいと思います。

スラッシュを入れる位置は、次の通りです。

  • 接続詞の前
  • 前置詞の前
  • 関係代名詞の前
  • 修飾部分
  • 主語や目的語、補語が長いとき
  • 文の区切りを表す記号

 

接続詞の前

接続詞によって、2つの文がつながって1つの文になります。

ここで区切ることで、文が短くなり分かりやすいでしょう。

He never studies / but always passes the tests easily.
彼は全然勉強しない/でもいつもテストに簡単に合格する

She will be back  / from school / in 20 minutes.
彼女は帰ってくる / 学校から / 20分後に

 

前置詞の前

前置詞は、名詞の前に置かれて句を作ります。

There is an apple / on the desk.
1つのリンゴがある/机の上に

The girl /on the stage / is my sister.
少女/ステージの上にいる/私の妹です

He has two dogs / in addition to a cat.
彼は2匹の犬を飼っている/猫1匹に加えて

前置詞一口メモ
文法のテキストを見ると前置詞には複数の語とくっついて修飾する機能があります。

  • 群前置詞…単語2つ以上で一つの前置詞とみなせる塊(例:in front of ~:~の前に)
  • 前置詞句…前置詞(at / on /  in)と名詞が複合したもの(例:in my room:私の部屋に)

上記のような群前置詞であっても前置詞句であっても、[前置詞の前で区切る] ことを意識することで読みやすくなります。

関係詞の前

  • 関係代名詞(who / whose / whom / which / whose / that)
  • 関係副詞( what / where / when / why /how )

の前で区切ると分かりやすくなります。

I have a friend / who can speak Spanish.
私には友人がいる/スペイン語を話せる

Dad bought me a pen/ which was printed Japanese national flag .
父がペンを1本買ってくれた / 日本国旗が印刷された

Did you understand / what I said?
あなたは理解しましたか?/ 私が言ったこと

A festival will be hold / at city hall / where is next to my home.
お祭りが開催される / 市役所で / 私の家の隣にある

Please don’t forget the time when we met.
(時間を)忘れないでください / 私たちが会った

I can’t explain / how I felt.
私は説明できません / 私がどう感じたか

He gave me a souvenir /that was green color)
彼がお土産をくれました / 緑色の

 

不定詞・動名詞(準動詞)の前

基本的に1文で使える動詞は1回だけです。しかし、文章の中には

  • 不定詞(to+動詞の原形)
  • 動名詞(動詞+ing)

の形で動詞が2個以上出てくることがあります。

このような不定詞と動名詞(準動詞と言います)の前でスラッシュで区切ると、ややこしい動詞が2個以上ある文も主語や術語などが分かりやすくなり、文の構造が理解しやすくなります。

I have a lot of friends / to help me.
私にはたくさんの友人がいる/助けてくれる

The woman / drinking beer / is my mother.
その女性/ビールを飲んでいる/私の母です

 

主語や目的語、補語が長いとき

主語や目的語、補語が長いときも、スラッシュで区切ると分かりやすくなります。

To read a lot of books / is important.
たくさんの本を読むことは/重要だ

The stadium has been home ground / of Giants / over the past few decades.
スタジアムは本拠地だ / ジャイアンツの / 過去数十年に渡って

 

文の区切りを表す記号

文の区切りを表す記号には、カンマ(,)、セミコロン(;)、コロン(:)、ダッシュ(_)があります。

When I visited to my aunt, / she was cooking.
私が叔母を訪ねたとき/彼女は料理をしていた

He listens to many kind of music: / J-pop, rock, jazz, and classic.
彼はいろんな種類の音楽を聴きます/J-popや、ロック、ジャズ、クラシック

のに先輩
文の終わりを意識するために、ピリオド(. )にダブルスラッシュ(//)を入れるという方法もあります。

I’m a English teacher.//
私は英語の教師です//

スラッシュリーディングのアレンジ例

スラッシュリーディングに慣れてきたら、自分の読みやすい方法にアレンジすることもできます。

ここでは、アレンジ例をいくつかご紹介します。

スラッシュを減らす

あくまでもスラッシュリーディングは、英文を素早く理解するための方法の1つです。
自分のリーディングレベルが上がってきたら、スラッシュを入れなくても分かる部分は省略して、さらにスピードアップを目指しましょう!

例えば、
To read a lot of books is important.
という文章があったとします。
これは「たくさんの本を読むことは重要だ」という意味です。

To read a lot of booksを長い名詞だと考えてbooks / isとしてもいいですし、「このくらいならスラッシュ入れなくても分かる」と思えば、省略してもいいと思います。

これは、その人のリーディング力によって変わってきます。
目安としては「スラッシュ入れるよりも流して読んだほうが速い」と思うところは、スラッシュを減らしてみましょう。

 

記号やカッコを活用して視覚的に分かりやすく!

これは、読んでいるときだけでなく、後で読み返すときにも便利です。
あらかじめ「こういうときはこの記号」とルールを決めておいて、文章に記号やカッコを入れるうものです。

次に一例を紹介します。

  • 順接(and, soなど)→右向き三角(▷)
    これは前の文章と次の文章はそのままつなげるイメージです。
  • 逆接(but, howeverなど)→左向き三角(◁)
    これは「前の文章と反対の意見が次の文章にあるよ」というサインです。
  • 副詞節(接続詞ifやwhenなどで加えられた文章)→( )
    I was late for school (because the bus was late).
    私は学校に遅刻した(バスが遅れたから)
  • 修飾部分→〈 〉
    The boy 〈standing by the school gate〉 is my brother.
    その少年〈校門のそばに立っている〉は私の弟だ。
    この文章ではstanding by the school gateThe boyを修飾して「校門のそばに立っている少年」となっていますね。

 

まとめ

今回は、スラッシュリーディングについて見てきました。

スラッシュリーディングを身につければ、英語を英語のまま理解する力にもつながってきます

そうすれば、リーディング力もリスニング力も高めることができます。

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