埼玉県在住 佐藤さん(仮名・20代男性)の体験談です。
中学時代 英検3級受験の思い出
私は中学時代、学習塾の公文に通って英語の学習をしていました。
そんなある日、先生から英検の受検を進められました。
英検3級さえ持っていれば内申点に加算されるし、知識としても高校受験に役立つということを知っていたので、勧められるまま受けることにしました。
英検は、3級で中学卒業程度、つまり高校入試レベルの英語が習得できるものとされています。
高校・大学で英語のステップアップをするためにも、中学英語は確実に英語を覚えたいと思い、まずは英検3級合格を目指して、早速学校や塾でたくさん英語に触れるよう心掛けました。
「読む・書く・聴く・話す」といった力を養っていくため、まずは簡単な単語や会話など、英語に慣れ親しむことから始めていったのです。
そして、中学1年生のとき、英検5級と4級を受験し、合格しました。
5級・4級は初歩的な内容で、学校の授業をしっかり聞いていれば受かるレベルでした。
それでも思ったより易しかったので、「意外とこんなもんなんだ」と正直に思いました。
2年生に進級すると、いよいよ3級を受験することになるのですが、ここから問題のレベルがグッと上がります。
4級までのリーディング・リスニング問題に加えて、3級からは二次試験としてスピーキング、すなわち英語での面接が加わるのです。
このスピーキングには特に苦労しました。
これまで、英語だけで人と対話するという経験はなかったので、全く自信がありませんでした。
しかし、その壁を乗り越えるべく、中学2年の夏は英語漬けの日々を過ごしました。
合格までの道のり
一次試験(読み書き)はコツコツと!
英検3級の内容は中学英語の総まとめ。もちろん中学3年生の英語も入ってきます。
当時2年生だった私は、試験勉強の中で初めて見る単語や文法にも向き合いました。
特に関係代名詞は重要なところで、代名詞の使い分けや、whatとthatの違いなど、なかなか身につきませんでした。
習得するためには、文の構造を理解して、根気強く問題を解き続けるしかありません。
英単語についても同様に、単語帳を見て、ひたすら書いたり読んだりして覚える必要があります。
地道な勉強でしたが、継続することで習慣化され、夏休みは毎日のように公文へ行くことができました。
そうして勉強を続けるうちに理解が深まり、理解が深まるにつれ英語の勉強が楽しくなって、どんどん英語が好きになっていきました。
好きな気持ちが生まれれば、勉強も苦にならないのだなと実感した瞬間でした。
苦手な二次試験(スピーキング)はとにかく実践練習!
しかし、問題は二次試験の面接(スピーキング)です。
英検3級は、4級までには設けられていなかった面接があります。
これは問題カードを読みながら面接官の質問に答えていく形式で、日本語は一切喋りません。
私は学校の先生を相手に面接練習をしていましたが、その緊張感に慣れるのは困難でした。
面接では単純な英語力だけでなく、コミュニケーション力も試されます。
相手の目を見て、笑顔で、はっきりと受け答えをしなければなりません。
うっかり日本語が出てしまうのも当然ダメです。
私は緊張してどうしても表情が固くなってしまったり、自然な受け答えができずに苦労しました。
しかし、一朝一夕で出来るものではありませんので、先生との練習を繰り返し、なんとか頑張りました。
緊張の試験当日。結果は……?
そして試験当日を迎えました。
いくら英語が好きになれたとはいえ、やはり不安のほうが勝っていました。
まずは一次の筆記試験に受からなければ、二次試験の面接を受けることもできないため、一次試験の結果発表はドキドキでしたが、勉強の甲斐あって、一次試験は合格できました。
ひとまずほっとしましたが、後日に控えている面接のことを思うとやはり不安で、私はそのあとも面接に向けてしっかりと準備をしました。
そしていよいよ二次試験、面接の日。
この日は中学時代で一番緊張していました。
“May I come in?”
そう言ってから面接室を退出するまでは、英語オンリーの空間です。
緊張していたので当時のことはぼんやりとして覚えていないのですが、面接官の質問にしっかり答えながらも、問いかけに対してつい「はい」などと言ってしまった記憶があります。
そんなこともあり、あまり手応えはありませんでしたが、
結果は……ギリギリで合格。
心底ホッとしました。
面接の短い間ではありましたが、英語だけで他人とやり取りをした経験は本当に貴重でした。
あの一度だけしか会っていない面接官の顔を、今でもなんとなく覚えているぐらい、印象に残っている出来事です。
英語を学んで良かったこと
英検3級に合格してからというもの、学校の試験や高校入試でも、英語では良い点数を取れました。
私は数学は苦手だったのですが、それを英語でカバーできるぐらいの力がついていたのです。
高校、大学と進み、英検を受けることはなくなりましたが、中学時代に基礎を固めておいたことは、間違いなく今の英語学習に活かされています。
英語は覚えておいて損はないですし、中学時代に真面目にやっておいて良かったです。
世間的に見たら英検3級ぐらい大したことないですし、もっと上を目指すに越したことはありません。
それでも私は、受けて良かったと思っています。
中学生レベルでも英語を習得できれば、日常会話には十分有用です。
そして、英語学習に力を入れて取り組んだ経験は、他の言語を学ぶ際にも必ず役立ちます。
私は現在ポルトガル語を学んでいて、英語と同じ要領で勉強を続けています。
まだポルトガル語を好きになるまでには至っていませんが、理解は深められているつもりです。
おわりに
中学時代のエピソードから、語学はすぐに身に就くものではなく、勉強の継続によって身につくものであることがよくわかりましたね。
また、基礎を理解して慣らしていくことの大切さを、Kさんの体験談は教えてくれたように思います。
基礎がしっかり出来上がっていないと、応用的な使い方はできません。
基礎を身に着けるためにも、まずは目標を立てて、それに向かってコツコツ勉強を重ねていくことが、英語習得の一番の近道なのかもしれませんね。
コメントを残す